国語 その最後に
前回のその4は具体例がなく、難しかったかもしれません。読解力というものを数学の問題でも解くように解明しようとしたのが原因です。難しく考えなくても「読解力」とはただ単に、書いてあることから言えること、を理解すればよいということです。前回に例を挙げてといいましたが、よろしければ下記の本をお読みください。国語の読解についてたいへん分かり易く書かれています。具体例も豊富です。
今回、国語について改めて考えると、「国語の読解力はどうやってつけたらいいですか。」という質問は、たいへん答えにくい質問であることがよくわかりました。「読書をしましょう。」とか「新聞を読みましょう。」とかは、相手のことをよく考えていない答えだと思います。
このあたりのことも上記の本で詳しく書かれています。参考にしてもらえればと思います。
国語の読解はすべての教科に深く関わっています。例えば天体について興味を持って独学しようとすれば、本を読まなくてはなりません。歴史に興味があればやはり本を読むでしょう。そこに何が書かれているか正確に読み取ることができるだけで、先人の知識を自分のものにし、世界が広がるのです。
また「声に出して読みたい日本語」や「理想の国語教科書」の著者である齋藤孝先生は、国語能力こそ、社会人にとって最も重要なスキルのひとつだとおっしゃっています。
国語能力(現代国語の読解力)がある人は、現代の溢れる情報の中から、その情報の意味や要旨(内容の主要な点を一言で言い表したもの)が読み取れるということで、「情報処理能力」があり、ビジネスパートナーとしては最適なのだそうです。
解りやすく言えば“理解力に優れた人”とでも言えるのでしょうか。国語能力の高い人には一言で理解できることも、国語能力の低い人には言外の意味が理解できなかったりして一から十まで説明しなくてはなりません。このあたりのことをいっているのだと思います。
いろいろな科目の中でも国語を真っ先に取り上げて考えてみたのは、「社会に出て役立つ科目は?」といわれた場合、確実に役に立つ科目であると思ったからです。ただ基本的な語彙力さえあり、読解とはどんなものかがわかっていれば、正当な読み方というものはあります。接続語や指示語を確実に押さえる、キーワードを把握する、文末の表現などにも注意を払う、いいたいことは形を変えて繰り返されたりする、等々。
中3の夏休みからは、私なりに経験を積んできた読解の仕方を伝授したいと思います。最後はコマーシャルになってしまいましたが、このようなプログで授業をする訳にもいかず、国語の重要性と読解とはどんなものか大体わかってもらえたらうれしい限りです。
国語はこれで終わりですが、また違う科目についてもいろいろ考えてみたいと思います。